振袖のしきたり・・・知ってするのと、知らずにするの・・・
2016年02月04日
きもの蔵人みやもとの四代目宮本です。
昨日は、「全国きものスタイリスト協会」の授賞式で京都へ行ってきました。
ゲストでお越しいただいていた「市田ひろみさん」(お茶のCMで有名ですよね)がこんなお話をしていられました。
美容院も経営していられる市田さん、数年前の成人式に振袖の帯を前で結んで欲しいというお嬢様が来られたそうです。ご自分で、用意された濃い緑の振袖に袋帯、重ね衿を三色と螺鈿の塗り箸はかんざしにしたいとのことで、細かな打ち合わせをしてお支度をしたそうです。
当日、美容院へお迎えに来たお父さまがその姿を見て、「何だそれは!」
「先生、忙しいでしょうけど、帯を結び直して下さい。」とのこと。
聞いてみれば、お父さまは、きもの業界で働く方とか・・・
お嬢様と振袖の記念写真を撮ることで、どうにか納得していただき、結び直しをしたそうです。
その翌年くらいから九州の花魁姿がニュースで取り上げられていましたが、
そのお嬢様、レジェンドと言えば、前結び帯のレジェンドです。
市田さんは、ファッションは自由だけれど、
風俗や文化・歴史を知っていて工夫するのと、知らずに「かわい~」「きれ~い」で
するのとでは、意味合いが全然ちがうと言うことでした。
「きもの蔵人みやもと」の振袖は、古典柄が大多数ですし、着付けもヘアーも超トラッド。
自由闊達なお嬢様には、物足りないかもしれませんが、やはり晴れの日の振袖はキチンと着てもらいたいです。だって、お祝いの主役はお嬢様かもしてませんが、その日を本当に喜んで下さっているいるのは、お嬢様お一人ではないのですから。