振袖の歴史 袖を振って思いを伝える
2023年12月11日
![WLRQ2405[1]](http://www.kuroudo.co.jp/sp/wp-content/uploads/2023/12/WLRQ24051.jpg)
きもの蔵人みやもと 半田賢祐
長い袖を振って、思いを伝える
映画やドラマ、歌の歌詞でも恋愛物が人気ですが、
それは今に限った事ではなく、江戸時代や平安時代
の頃からも、みんな大好きな話題でした!
更に昔、奈良時代に書かれた「万葉集」にも恋愛話が
多くあり、今と変わらず当時もとても人気です。
その万葉集で知られる「額田王」(ぬかたのおおきみ)
の歌に、「袖を振る」という一文があります。
「あかねさす 紫野行き 標野行き
野守は見ずや 君が袖振る」
袖を振るという事が、アプローチ方法だったようです。
私の思いは届いた?
思い切って、女性にアプローチをしたとき、
袖の振り方でお返事がきます。
袖を左右に振ったら、「好き」の返事です。
しかし前後に振られたら「嫌い」の意味です。
不成立、まさに「振られた」となります。
人の心だけでなく、神事にも
長い袖の揺れは、人々を魅了するだけでなく、
神に仕える女性が長い袖を振ることで、
厄を払ったり、時には神を呼び寄せたりしたそうです。
これを「魂振」(たまふり)といいます。
振袖の長い袖だけでも、たくさんのいわれがあります。
色々な側面から振袖を見てみるのも楽しいです。