柄足しでシミ隠し!振袖のお手入れ

2021年04月21日
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鎌倉 きもの蔵人みやもと  半田 賢祐


 

先日、肩の辺りに大きなシミができてしまったお振袖をお預かりいたしました。

お母様がお召しになったお振袖で、お嬢様も成人式で着たいと思い広げてみたところ、

大きなシミができていました。

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(↑茶色く黄変になっております)

この位、大きく濃いシミは、シミ落としだけではなかなかきれいに落ちきれません。

金彩を散らしてごまかす方法もありますが、その部分だけだとバランスが悪いので

全体にも金彩を散らす必要が出てきます。

そこで今回は、お着物の柄を足して、シミを隠すことにしました。


 

胡粉(ごふん)で柄足し


 

シミの上から、胡粉で柄を描きます。

お振袖の全体に、桜の文様が描かれていたので、

同じ桜の花びらを胡粉で書き足し、シミを隠しました。

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(↑胡粉で描いた、桜の柄)

胡粉とは、ハマグリの貝粉で作る顔料の事で、他にもカキやホタテなどが使われることもあります。

作り方は、貝を風化させ、粉砕し水で溶き、粘土状にしから、さらに板の上に晒して作られます。

かつて中国から伝えられ、今でも日本画や日本人形などの絵付けに用いられています。

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元の柄も胡粉を新しく塗りないし、きれいな白に戻りました。

 

大きなシミができてしまっても、諦めずにお持ちくださいませ。

 


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