何で「振袖」だけ袖が長いの?日本版エクソシスト説
2016年08月17日
『鎌倉きもの蔵人みやもと』社長のうんちく話 その1
何で「振袖」だけ袖が長いの?または
なぜ、未婚の女性だけがお袖の長い振袖を着るの?
まじに、問われると呉服屋さんでさえ曖昧になってしまいます。
実は、様々な説がありますが、今回は「エクソシスト説」をご紹介しましょう。
今から40年程前に「エクソシスト」という映画が話題になりました。
オカルト映画のジャンルのはしりです。
「エクソシスト」とは、「祓魔師」の事で、とある少女に取り付いた悪魔を
牧師が追い祓う死闘を描いた、怖い怖い映画です。
この悪魔祓いは、西洋に限った事ではなく、世界中に様々な習慣を残していることは言うまでもありません。
実は、振袖の袖の長さもこの悪魔祓い、日本的に言い換えれば厄払いの長さと考えることができます。
男性や年増の女性には、悪魔も好んで近寄りませんので、若娘の袖だけ長くして、守ったのです。
ちなみに、日本には神様がヒラヒラとはためく長い布に神が降りるという言い伝えがあります。
お祭りの時に、神社の入口に建てるのぼり旗も神様への目印ですし、
歌舞伎役者がお馴染みさんに手拭いを配るのも、長い布を渡すことによって、
神様に大切なお客様の身を守ってもらおうという意思表示だと言われています。
着物の反物も、何年の月日経過しても、幅の狭い細長い布の形を維持してきました。
また、直線で裁断して、ほとんどを直線で縫うのも、長い布をそのまま身にまとい、
神様に身を守ってもらいといという願いが込められているからです。
きもの蔵人みやもと 四代目 宮本 英光